曹操は、悪人なんですか？

曹操は、悪人なんですか？

イメージとしては悪人です。



現代日本人からするとわかりにくいかもしれませんが、

王朝を簒奪（奪う）事は大変な悪事と言う認識がありました。（当然ですが）



曹操の場合は、

・私情に駆られて住民を虐殺した事

・皇帝をないがしろにし、権力を振るったこと

・儒教の価値観に背く行動をした事

などもあり、悪人のイメージは常にあったようですね。



三国志から約100年後の五胡十六国の時代、後趙を建国した石勒（セキロク）は曹操をこう評しています。



「大丈夫（立派な男）たる者、磊磊落落（「磊落」の強調）、日月が明るく輝くように物事を行うべきであって、曹操や司馬懿父子のように、孤児（献帝）や寡婦（郭太后）を欺き、狐のように媚びて天下を取るような真似は絶対にできない」



おそらく、このような評価をする人は常に存在していて、後の三国演義の悪役・曹操というイメージになったのでしょう。



近年では、他の皆様がおっしゃるとおりに肯定的な評価をされることが多くなってきましたが、だからと言って曹操は実は善人だったなどと短絡的に考えてはいけません（逆も然り）。人物には常に功罪両面があり、功も、罪も、曹操はほかと比較にならぬほど大きいと言うだけです。

劉備の方が悪人です｡

さらに､曹操は後世に多大な影響を及ぼしたが､劉備は何一つ残していない｡

孫子が広く知れ渡っているのは曹操の功績です。

確かに悪人であることは変わりません。

しかし非常に優れた人物でした。

日本の戦国時代で例えると武田信玄のような万能型です。

おそらく三国志屈指の名将でしょう。

頭はいいが性格が悪い・・・・個人的にちょっといやです。

虐殺など悪政もしましたが、政治・軍事・詩など多くの面で高い能力をもっており、「三国志の中で最も優秀であった人物は誰か」という話になったら、曹操の名は必ず挙がります。



今、話題のレッドクリフでは徹底的に悪と位置づけていられるのが残念です。

三国志演義では悪人っぽく描かれていますが

非常に優秀な人物だったみたいです。

マンガの『蒼天航路』を読むと

曹操に対するイメージが変わると思います。

曹操という人物は、小説の世界ではもっぱら「乱世の姦雄」として扱われ、悪玉的な要素ばかり強調されています。たしかにこの人物は汚いとかひどいとなど批判されても致し方ないような駆け引きを、わりと平気で使っています。そういう意味では、悪玉的な要素もないのではなかったのです。

では、それだけの人物だったかというと、決してそうではなく、正史「三国志」の著者、陳寿は「非常の人、超世の傑と謂（い）うべし」と評しています。「非常の人」、つまり「常に非ざる人」という言葉は、２０％は評価を保留、８０％は褒め言葉。また、「超世の傑」は時代を超えた傑物であり、１００％の褒め言葉だと思われます。



曹操は「孫子」の兵法を徹底的に研究し、兵法理論に忠実な戦い方をしています。仮に手痛い負け戦をしても、次は同じまた方をしないよう敗戦の原因を分析し、それを次の戦いの教訓としています。

また彼は無類のやり手人間であり、自分自身、抜群の能力に恵まれながら、人材を集めるのが熱心であり、優秀な人材がいることを聞くと、すぐに使者を差し向け、支度金をはずんで幕下に迎えたといわれます。さらに部下の使い方にも独特のものがあり、徹底した能力本位、選別主義で臨みました。仕事をやらせてダメだとわかると、人柄や経歴がどんなに立派であっても相手にしなかったといいます。普通のリーダーがこれをやると、激しすぎて組織が萎縮するなど、弊害の面がでてくるかもしれませんが、曹操の場合、そういうマイナス面がでないで、選別主義のいい面だけがでて、無能人間は淘汰されて優秀な人材だけが残り、曹操を守り立てて働き、曹操もも重大な事が発生した時は、彼らの進言を求め、その意見に真摯に耳を傾けたのです。そういう意味では、曹操はリーダーの器が大きかったと思います。

そして曹操は読書好きであったらしく、晩年になっても読書欲は少しも衰えなかったといわれ、詩人としても当代一流であったといわれています。



小説「三国志演義」では劉備や孔明らは漢王室の再興に奔走した英雄で、曹操は漢王室を蔑ろにし、それに取って代わろうとした悪人として描かれている影響が大きいと考えられますが、実際は、曹操は乱世のなかに裸一貫で身を興し、特異の才能に物を言わせて、いち早く北中国一帯を制覇し、三国志をリードしてきた英雄なのです。