三国志で、曹操は何であんな風に嫌われるような描かれかたなんですか？

三国志で、曹操は何であんな風に嫌われるような描かれかたなんですか？

曹操を衰えた漢室を守り抜いた忠臣として書いたら蜀と呉は逆賊ですからね。

劉備を善人に書いたら敵対する曹操は悪人にならざるをえないでしょう。

個人的には劉備は曹操と権力争いを演じて負けて追い出され、曹操を打倒して重臣の座を手に入れるために逆賊と呼んだだけにしか思えないけど。

呉は曹操を悪人呼ばわりしているくせに自分たちは勝手に独立して好き勝手やってるし（こいつら皇帝の臣下のはずだよね）、劉備は皇帝が死んだと勘違いして自分が即位しているけど普通は皇帝の息子か近い血縁を見つけ出して即位させるものなのに強引に正当化させてるね。

そういう矛盾点を隠すためには徹底的に悪者に書くしかなかったでしょう。

しばらくぶりに見たら、誤答が(汗)。



raymaxjpさん、確かに史書の分類上はおっしゃる通りですが論拠がおかしいです。

蜀漢を正統とした最初のものは東晋の習鑿歯(しゅう-さくし)が著した『漢晋春秋』ですよ。これが北方を五胡に奪われた南朝各王朝に受け入れられたため、蜀漢(劉備)が善玉、魏(曹操)が悪玉という図式ができたのです。

魏晋南北朝を語らずして南宋の事例を引き合いに出すのはどうかと思います。



kankou_jp_weaponさん、五斗米道は中絶しておりません。

曹操は張魯が降った際、身の安全と布教の自由を約束しており、そのため張魯は一族・弟子を引き連れて許都に移住しています。

後年、五斗米道は天師道と名を変え動乱の世を脈々と受け継がれ、それが現在では正一教となり、金代に興った全真教と道教を二分する勢力として発展しています。



ま、それはそれとして。

曹操が悪役になったのは先述した習鑿歯の『漢晋春秋』が蜀漢を正統とし、それが南朝の知識人・文化人らに受け入れられたからです。

習鑿歯は曹操と魏王朝を「禅譲されたと言ってもその実は力で奪ったのであり、これでは天命(天の徳)が移った事にならない。天命は劉備(蜀漢)が受け継ぎ、晋は蜀漢を併合して初めて天命を得た」と説明しています。



南朝宋(劉宋。東晋の次の王朝)の時代までは「魏武の裔(曹操の末裔)」と名乗る人物がおり、それが特にマイナス評価にはなっていない事が見て取れますが、その後次第に知識人や民間に曹操が悪役として定着してゆき、その集大成が明初の『三国志演義』になったと考えられます。

現在の曹操の悪役ぶりは、この『三国志演義』の記述によるものです。

「悪」の要素も強い人物だったからでしょう。

徐州での大虐殺、五斗米道教団を解体し中絶に追い込み

華陀の殺害、孔子の子孫である孔融の殺害、など



漢朝への不義不忠を除いてもこれだけの事をやってのけました。

中国三大宗教である儒、佛、道のうち、儒、道への酷い仕打ちに加え

後世医神として祀られる華陀をも身勝手な理由で殺害してしまい

極めつけは大虐殺。



史実でもこのようなことをやっていればそのように描かれてしまうのも

仕方ないかと。

寧ろそれらの事実には目をそむけ、偉業だけを賞賛し、曹操の悪評を

否定してもそれこそ欺瞞的に思えてなりません。



曹操は「奸」あってこそ魅力ある光を放つ英傑ではないかと。

三国時代よりもかなり後の歴史に関連しているかと思われます。

曹操とその息子が建てた魏は、実は唐王朝までは正統でした。当時、魏と並んで建国された劉備の蜀や孫権の呉はあくまで地方政権扱いで正統ではないばかりか、魏という漢の正統な後継王朝に盾突く反抗勢力として語り継がれていたそうです。どうして魏が正統かというと、当時の思想の影響なのかもしれませんが、「中原を制すもの（王朝）はすなわち正統である」、という立派な理由があったからなんです。その影響から曹操のイメージは今とは真逆で、「治世の能臣」とまで称されていたそうなんです。

どころが、南宋時代になると、宋王朝が中原地方の統治権を失ったため、そのままでは正統王朝であることを主張し辛くなったので、自分達が正統なる王朝であることを強調するために、「三国志」を取り上げ、漢の正統後継王朝と自称する蜀を自分達と重ね、中原地方を失っても宋は正統な漢民族王朝であると主張し出したのです。

それから更に時代が下って明になる頃には、異民族の元王朝の統治を受けた影響なのか、蜀を正統とする主張が強調された形で民衆の間で定着したため、その頃に出来た小説の「三国演義」は当然ながらその思想を染まっていき、蜀を正統王朝として描いていたと思われます。また、その正統性を強調するために反抗勢力の曹操とその後の魏王朝は必然的に極悪者として描かざるを得なかったと思われます。

三国志の演義のほうですね。

昔の人は曹操の魏を正当な漢の後継者だと言ったため、正史では曹操のほうが善人として描かれています。

でも三国志が有名になるにつれて、町人や農民たちが劉備正当論を言い出し、それが有力になりました。判官贔屓ってやつですね。

それでなんとかという人が民に受けやすいように、劉備のほうを善人として描きました。これが三国志演義です。これのほうが正史より有名です。

それで劉備を善人にしたため、曹操が悪人になったんです。





わかりにくくてすいません。